ホテルのロビーや客室などに飾られているアート作品は、芸術を身近に感じながら、ご当地の文化や歴史にも触れられるのが魅力です。それぞれの作品に目を向ければ、新たな感性との出会いを楽しめます。ホテルがこだわり抜いたアート作品からお気に入りのものを見つけ、それらを鑑賞しながら、芸術に浸るひとときを過ごしてみませんか。
館内アート
亀の井ホテル 有馬 / 兵庫県神戸市
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③名湯「金泉」をモチーフにした、金色と錆の色味がホテル内を彩ります。露天風呂付客室のヘッドボード上アートは、温泉成分をイメージしたメタリック調の墨で制作。ロビーに飾られた提灯も印象的です。湯上りラウンジでは、豊臣秀吉ゆかりの有馬温泉にちなんだ秀吉の馬印「千成瓢箪」のオブジェが存在感を放ちます。
①:露天風呂付客室 ヘッドボード上のアート 作家名:Sayuri
作品名:螺旋
ホテルのデザインコンセプト「金色と錆」、温泉の成分をイメージしたメタリック調の墨を溶かしながら制作。物質が混ざり合う様子を、より動的な螺旋のフォルムで表現。それぞれが影響し合いながらも、最終的には本来の「在るべき姿」へと戻っていくイメージを、中央に走る一筋の墨にこめました。中央の筋をとりまくような周りの螺旋の渦は、ゆるやかな時間の経過を表現しています。
②:ロビーラウンジ上の提灯ロゴ 作家名:Sayuri
筆文字を書く際に古代文字のフォントをいくつか確認しながら、筆文字だから出せる温かみや湧き出る水が古来より続いてきたという重厚さを表現。
③:4F湯上りラウンジの千成瓢箪のオブジェ
亀の井ホテル 赤穂 / 兵庫県赤穂市
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③ホテル内の随所に、赤穂の自然・文化・風土から着想を得たデザインがあしらわれています。ラウンジや客室に並ぶ麦藁オブジェ「Mobje」は、クラゲなど赤穂の海の生物たちがモチーフ。ギャラリーでは、備前焼の新たな可能性を切り拓く陶芸作家・森一朗氏の作品を展示販売しています。さらに、約150年の歴史をもつ伝統工芸の手織り絨毯「赤穂緞通」も必見です。木綿の糸を丁寧にカットすることで立体感を持たせる手法は、一見の価値があります。
①:ギャラリー 備前焼 作家名:森一朗
②:赤穂緞通 龍雲/唐花/網利剣 作家名:赤穂緞通 六月 阪上 梨恵(Instagram)
③:麦藁オブジェMobje(モブジェ) 制作:藤井製帽株式会社
レストランやロビーの麦わらアート、客室洗面台ブラケット照明は、館内リニューアルのインテリアデザインを担当した株式会社タイムレスによる、亀の井ホテル 赤穂だけのオリジナル作品。
霧島国際ホテル / 鹿児島県霧島市
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③レストラン「霧島湯けむりテラス」にある4枚の絵は、季節ごとに移ろう霧島を表現しています。随所に散りばめられているのは、新婚旅行で霧島を訪れた坂本龍馬とお龍、九面太鼓、霧島神宮、桜島など、霧島ならではのご当地モチーフ。作品を通じて霧島の新たな魅力を発見でき、鑑賞を超えた楽しみを味わうことができます。
レストラン「霧島湯けむりテラス」
アートデザイナー 山村章仁
①:SUMMER|夏 霧島の涼を表現。生い茂る木々や大木の木陰は涼しく、心地よい風が身体を冷やしてくれます。温泉成分を含んで流れる川の水が創り出す、エメラルドグリーンの滝は、その幻想的で鮮やかな色と水しぶきが、人々に涼と癒やしを与えていると感じます。嘉例川駅の観光大使「にゃん太郎」も快適なお昼寝ができるほどです。
②:AUTUMN & WINTER|秋冬 霧島の厳を表現。霧島連山、桜島。霧島に関連のある山々の多くは活火山で、自然の雄大さ、厳しさを教えてくれます。厳しいは「おごそか」とも読むように神様が本当にいるかような荘厳さを持ち合わせています。霧島神宮で行われている神楽は、まさに天孫降臨の地である霧島のハイライトです。
③:SPRING|春 霧島の陽を表現。ミヤマキリシマや桜のピンク色でやさしく染まった霧島。幕末の志士坂本龍馬が、妻お龍とともに、美しい自然が広がる霧島・塩浸温泉で傷をいやし、二人の生涯の最も楽しい時を描いています。
アートホテル青森 / 青森県青森市
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③東北三大祭りの一つ、日本の重要無形民俗文化財にも指定の青森ねぶた祭りにちなみ、ロビーには「ねぶた」5体を展示。大型ねぶたの1/2スケールで制作されており、祭りの本番さながらの臨場感を楽しめます。津軽の伝統工芸「津軽びいどろ」と「津軽塗り」も展示販売。青森市内初・ねぶたをデザインした「ねぶたツイン」では、青森文化を感じる空間でくつろぎの時間を過ごせます。
①:ねぶた師制作の迫力あるねぶたがお出迎え 津軽文化が共鳴する空間であるホテル1階ロビーの吹き抜けに、内山龍星氏、林広海氏、立田龍宝氏のねぶた師3氏による、人形ねぶた定番のテーマを網羅した作品5体が並びます。
②:津軽工芸品を展示・販売するコーナー 津軽の伝統工芸品である、津軽びいどろは盃、グラス、タンブラー、花器等を展示販売。津軽塗は伝統的な模様からカラフルでモダンに使える汁椀を各種展示しています。
③:青森市内初のねぶたをあしらったコンセプトルーム「ねぶたツイン」 青森のりんごがモチーフのねぶたは現役のねぶた師、林広海氏が制作。青森の代表的な名産品であるりんごと鮮やかな鳥(アカショウビン)をモチーフに、ランタンのようなねぶたがほんのりと明るくお部屋を照らします。さらに、青森ねぶた祭の特徴でもある「跳人(はねと)」と呼ばれる踊り子をグラフィカルにデザインした壁紙を採用しています。
奥多摩 清流リゾート 亀の井ホテル 青梅 / 東京都青梅市

客室の壁面に親子の亀をカリグラフィーで描いた、独創性あふれるアートです。縁起の良い右上がりで親亀を傾け、小亀より大きめに配置することで力強さが表現されています。亀の体から浮かび上がるアルファベットが綴るのは、英文で書かれたメッセージ。その意味を想像しながら、アートと向き合う時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
クモノデザイン株式会社
雲野 一鮮/KAZUKI KUMONO
fRAum®︎/フラウム
YOKO FRAKTUR × KAZUKI KUMONO
建築&庭園
旧豊山閣庭園(旧旅館田川)(アートホテル小倉 ニュータガワ) / 福岡県北九州市
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③1889年(明治22年)に築造された旧豊山閣庭園(登録記念物)は、足立山を借景とし、松の植え込みを主体とした池泉廻遊式書院造りの庭園です。庭園と調和して建てられた離れ座敷「百年庭園の宿 翠水」の数寄屋建築で登録有形文化財の「菅生」「企救」「玄海」は、歴史情緒あふれる佇まい。タイムスリップした気分で、ゆったり散策していただけます。
①:旧豊山閣庭園(登録記念物(名勝地関係)) 130年の時を刻んできた約700坪の池泉回遊式庭園。
②:翠水「菅生」外観 2022年(令和4年)2月17日、 国の「登録有形文化財(建造物)」に登録。
茶室建築の意匠を取り入れた日本の伝統的な住宅様式で、質素で洗練された自然素材の美しいデザインが特徴。「菅生」「企救」「玄海」の3室それぞれの伝統美と、客室からはさまざまな角度から覗く「百年庭園」の景観美をお愉しみいただけます。
③:翠水「菅生」 歴史ある日本庭園を眺めながら、静かな時間をお過ごしいただけます。
八ヶ岳高原ヒュッテ(旧尾張徳川家本邸主屋)(八ヶ岳高原ロッジ) / 長野県南佐久郡南牧村
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③尾張徳川家19代当主・徳川義親の邸宅を移築した八ヶ岳高原ヒュッテ(登録有形文化財)は、柱や梁などを壁面に露出したハーフティンバー様式が特徴。館内の随所で目をひく、北海道土産の定番、木彫りの熊は、かつて北海道開拓に携わった義親公に由来するものです。八ヶ岳高原ロッジ アートサロンや陶芸工房のギャラリーでもアートをお楽しみください。
①:八ヶ岳高原ヒュッテ(旧尾張徳川家本邸主屋) 外観 設計は上野東京帝室博物館(現東京国立博物館)や日比谷第一生命館、銀座和光などをてがけた渡辺仁氏(1887〜1973)。
②:重厚な内装の階段
③:木彫りの熊 八ヶ岳高原ヒュッテ館内の階段の親柱などにある多くの木彫りの熊。徳川義親が大正10年の洋行の時にスイスで熊の彫り物の土産と出会い、これを八雲村の土産品として取り入れようと思い立ち、いくつもの彫り物を持ちかえって村人や近くのアイヌの人々に伝えたそう。
ギャラリー
函館国際ホテル / 北海道函館市
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③函館国際ホテルでは、エントランスロビーや廊下などに個性豊かなアートを展示しています。3Fの連絡通路壁面には、函館のアーティスト・大西翔氏の絵画を20点以上展示するアートギャラリーでは、作品の購入も可能。また、月ごとに展示が変わる貸しギャラリー「カリヨン」も必見です。館内を散策しながら、芸術に触れるひとときをお楽しみください。
①:瀾 RAN(2018) 場所:1階エントランスロビー
アーティスト:松原 賢 Ken Matsubara
②:ふ、ふ、ふ(2018) 場所:2階ホワイエ
アーティスト:五十嵐 威暢 Takenobu IGARASHI
③:アートギャラリー 本館と西館をつなぐ3階の連絡通路に並ぶ作品の数々。
アートホテル大阪ベイタワー / 大阪府大阪市

ホテル内のアートスペース「SARAS ART GALLERY」では、新たなアートとの出合いを楽しめます。「SARAS(サラス)」という名は、「芸術・音楽の神」である弁財天(SARASVATI/サラスヴァティ)に由来。展示は2〜3ヶ月ごとに入れ替わるため、訪れる時期によってさまざまなアーティストや写真家の作品を鑑賞できます。
画像:一般社団法人暮らしランプの皆様によるグループ展(展示期間:2025年10月2日~2025年12月25日)
アートホテル石垣島 / 沖縄県石垣市
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③アートホテル石垣島1階The ART SHOPのギャラリーでは、独自の視点で島のアートや文化を発信する企画展を常時開催しています。ギャラリーショップならではの「見て楽しめる、買って嬉しい」企画展がお楽しみいただけます。
①:The ART SHOP ギャラリー 石垣島を含む八重山のアートやカルチャーを発信する新コンセプトのショップ。ギャラリーでは、八重山のアートを中心にクラフトや民芸、音楽など様々なクリエイションをテーマに企画展を開催しています。
②:島の手仕事展 先人から受け継がれてきた知恵と技を用い、自然への畏敬やこだわりのモノづくりをしている作家さんの作品を取り上げる企画「島の手仕事展」を定期的に開催しています。
③:琉球ガラス
ご当地熊八像
熊八像(亀の井ホテル7館) / 九十九里、長瀞寄居、鳥羽、紀伊田辺ほか *2025/10/31現在
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④亀の井ホテルの創業者・油屋熊八の像を、地元高校生たちがペインティング。ご当地の要素を取り入れ、「伝統とぬくもりのご当地宿」を目指す亀の井ホテルのシンボルとなっています。例えば、紀伊田辺の熊八像は和歌山の特産「梅」をネクタイに、「みかん」を服にあしらいました。個性豊かな熊八像を通じて、若い感性に触れてみましょう。
①:亀の井ホテル 鳥羽 × 三重県立鳥羽高等学校 鳥羽水族館のラッコやペンギン、イルカなどの様々な生きもの鳥羽港に停泊している船や海女さん、名産の真珠を色にのせて表現。
②:亀の井ホテル 紀伊田辺 × 和歌山県立田辺高等学校 和歌山の特産である「梅」、「みかん」をあしらったデザインに。
③:亀の井ホテル 九十九里 × 千葉県立匝瑳高等学校 農業をイメージした緑のジャケットに、海にまつわる産業品を象徴的に配置。亀の井ホテルを表す“温泉マーク”をさりげないあしらいに。
④:亀の井ホテル 長瀞寄居 × 埼玉県立寄居城北高等学校 地域のシンボルの荒川や、寄居玉淀水天宮祭の舟山車や花火などをデザイン。